過去最高の48億ドルの民間投資家による途上国投資を支援
過去最高の48億ドルの民間投資家による途上国投資を支援
プロジェクトの45%は低所得国(IDA融資適格国)、21%は紛争脆弱国向け
ワシントン、2017年7月18日―世界銀行グループの多数国間投資保証機関(MIGA)は、発展途上国へのクローズボーダー民間投資促進のため、政治リスク(兌換・政府による契約不履行、収用、戦争内乱等)保険の提供と信用保証を行っている。2017年度(2016年7月 – 2017年6月)は、過去最高の48億ドルの民間投資家による途上国投資に対して保険を提供し、約159億ドルの対外直接投資(FDI)につながった。 2016 MIGAの支援プロジェクトのうち、半分が低所得国(IDA融資適格国)に、21%は紛争・脆弱国向けであった。また、地域的には、サブサハラ・アフリカ向け保証総額は10.4億ドルにのぼった。
また、対象プロジェクトは、大規模なインフラ事業から小規模の製造業投資まで広範にわたったが、主なプロジェクトは、
- ガーナ:石油・天然ガス開発のサンコファ・ガスプロジェクト。これにより安価なエネルギー源の安定供給が可能に。
- ブルンジ:コヒー豆の加工・輸出を支援することで雇用の創出
- ミャンマー:全長4,500キロメートルの光ファイバーケーブルの敷設。同国の10州にある66の市町村や中部と南部の6つの都市圏をケーブルで結ぶ。日本企業による投資。
- トルコ:高度医療を行う重点病院の建設および運営。うち一つは、MIGAの保証と欧州復興開発銀行(EBRD)の保証を組み合わせ、債券発行により資金調達したが、その債券は国より2ノッチ高い格付けをムーディーズより取得。
また、2017年度にMIGAが支援をしたプロジェクトにより、850万人への電力供給、870万人の患者に高度医療を提供と共に二酸化炭素に換算して約110万トン分の温室効果ガスを削減した。
一方、途上国では開発財源としては、ODAより民間の対外直接投資(FDI)が大きいが、途上国向けのFDIは2011年以降毎年減少しており、2016年は対前年比で14%減の6,460億ドルであった。
MIGAの本田桂子長官CEOは、「世界の政治情勢の不確実性が増す中、民間投資家が途上国で長期の投資を行うにあたっては、政治リスクや信用保証のニーズが高い」「MIGAは、資金を最も必要としている発展途上国への民間投資を今後も支援していきたい。」と述べた。
2017年6月末のMIGAの総保証残高も、過去最高の178憶ドル(対前年比25%増)に達し、世界各地で144件の開発案件を支援している。
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多数国間投資保証機関(MIGA)は、世界銀行グループの一機関として、民間投資家の新興国への対外直接投資を支援すべく、1988年に設立された。現在は、通貨の兌換・送金制限、政府の契約不履行、国有化・収用、戦争・内乱などの政治リスクの保証に加え、民信用保証)を提供している。
コンタクト:
ワシントン: Vamsee Krishna Kanchi, (202) 458-9771, vkanchi@worldbank.org
詳細はウェブサイトをご覧ください。 http://www.miga.org
ツイッター: https://twitter.com/MIGA
LinkedIn: https://www.linkedin.com/company/mulitlateral-investment-guarantee-agency-miga